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飫肥杉(オビスギ)とは

Obisugi – Sugi from Obi Region

飫肥杉とは

宮崎・日南の豊かな森で育つ飫肥杉(おびすぎ)は、
樹脂分を多く含み、湿気や腐朽に強いことから、古くは造船材として重宝されてきた歴史ある杉材です。
現在では、構造材や内装材として、住宅をはじめとするさまざまな建築に用いられています。

飫肥藩時代から続く、歴史ある杉材

飫肥杉は、江戸時代の飫肥藩で船材として植林が始まり、約400年の歴史を持ちます。
油分・樹脂分が多く、湿気の多い南九州でも腐りにくい特性から、 「船をつくるなら飫肥杉」と言われてきました。

現在では、建築用構造材・内装材として高い評価を得ており、 南国の気候が育てたしなやかさと強さが、住まいの安心と快適性を支えています。

飫肥杉の丸太と山林

飫肥杉が選ばれる理由

飫肥杉は、強さとしなやかさ、そして木材ならではの心地よさを兼ね備えた素材です。
高嶺木材では、その特徴をいかしながら、安定した品質でお届けできる体制を整えています。

1. 高い耐久性・耐腐朽性

飫肥杉は樹脂分が豊富で、腐朽しにくく耐水性に優れています。
芯材(赤身部分)はシロアリにも強く、長寿命の住宅づくりに適した材料です。

シロアリに対する比較実験

飫肥杉は、昔からシロアリに強い木

飫肥杉(おびすぎ)は、古くから「シロアリに食われにくい木」として知られてきました。 材の中に含まれる成分に、シロアリを寄せつけにくい特性があります。

芯材に“殺蟻成分”が含まれている

宮崎大学・東洋白蟻研究所の実験では、飫肥杉の芯材の木粉を用いた試験で、 イエシロアリ30頭が11日目に全滅するという結果が得られました。 飫肥杉の材部に、殺蟻活性を持つ成分が含まれていることが確認されています。

他の木材との比較でも高い耐久性

宮崎県木連が行った土中埋設試験では、飫肥杉芯持ち柱材(12cm角)と ホワイトウッド集成管柱(12cm角)を約10か月間地中に埋設して比較しました。
飫肥杉は生材・乾燥材とも食害はわずかでしたが、ホワイトウッドは 表層がボロボロになるほどシロアリの被害を受けました。

  1. 松林内での野外暴露試験(Field Exposure Test)の様子

    松林内での野外暴露試験(Field Exposure Test)の様子

  2. 松林内での野外暴露試験(Field Exposure Test)の3か月後の様子

    松林内での野外暴露試験(Field Exposure Test)の3か月後の様子

  3. 松林内での地中埋設試験(Soil Burial Test / Ground Burial Test)の様子

    松林内での地中埋設試験(Soil Burial Test / Ground Burial Test)の様子

  4. 松林内での地中埋設試験(Soil Burial Test / Ground Burial Test)の2年後の様子

    松林内での地中埋設試験(Soil Burial Test / Ground Burial Test)の2年後の様子

飫肥杉に多く見られる「気根」について

杉の幹の表面に、ヒゲ根のような突起や小さなイボ状のふくらみが見られることがあります。 これを「気根(きこん)」と呼びます。
製材すると材の表面に黒い細かな点として現れますが、通常の枝とは異なり、 幹の内部まで深く入り込まず、数年のうちに幹の中に巻き込まれていきます。

そのため、強度性能などへの影響はほとんどなく、構造材として安心してお使いいただけます。 気根は地上からおよそ1mほどの高さに多く現れる傾向があり、とくに飫肥杉でよく見られる特徴です。
逆に言えば、製品の表面に気根が見られる場合、その樹種は飫肥杉である可能性が高いともいわれています。

飫肥杉に見られる気根の例

2. しなやかで折れにくい

南九州の温暖な気候で育つため、木目が詰まり過ぎず、粘りがあり曲げにも強いのが特徴です。
構造材としての扱いやすさが、多くの住宅で支持されています。

3. 調湿性・断熱性

空気を多く含んだ木質構造により、湿気を適度に吸放湿し、室内の快適性を保ちます。
夏はさらり、冬はあたたかい住空間づくりに貢献します。

4. 安定供給と品質管理

宮崎県は日本一の杉素材産地です。
高嶺木材では、自社の製材・乾燥・加工設備を備え、安定した品質で全国へ出荷できる体制を整えています。

暮らしに寄り添う、やわらかさと安心

飫肥杉は、構造材としての強さだけでなく、住まいに自然のやわらかさと心地よさをもたらします。
やわらかな足ざわり、光の反射を抑えた落ち着いた表情は、家の中に“木のぬくもり”を感じさせてくれます。

また、調湿性により四季の変化が大きい日本の気候でも快適さを保ち、 家族が過ごす空間にやさしい環境をつくります。

木の持つ力

飫肥杉をはじめとする木材には、暮らしを快適にしてくれる さまざまな「やさしさ」が備わっています。

木の持つ力を表すイメージ

目へのやさしさ

木の表面のわずかな凹凸には、光をやわらげる効果があります。 まぶしさを抑え、目に有害な紫外線も軽減します。

湿度をととのえる吸放湿

木は湿気を吸収したり放出することで、室内の湿度を自然に調節します。 結露の発生を抑え、快適な空気環境を保ちます。

断熱性と心地よい温度感

木の内部にある小さな空気層が熱を伝えにくくし、 触れた際に冷たすぎず熱すぎない、やさしい温度感を生み出します。

やわらかさと衝撃吸収

木のほどよい弾力性は、転倒時の衝撃を和らげ、 長時間歩いても足腰に負担がかかりにくい特性があります。

飫肥杉の主な用途

加工性の良さと軽さをいかし、さまざまな用途でご採用いただいています。

構造材(柱・梁)

しなやかさと強度をいかし、住宅の柱・梁などの構造材として使用されています。

フローリング

やわらかな足ざわりとあたたかな表情で、居室やリビングの床材として好評です。

羽目板

軽量で扱いやすく、天井材・壁材としても幅広くご利用いただけます。

デッキ・エクステリア材

耐久性をいかし、ウッドデッキや外部のエクステリアにも活用できます。

飫肥杉を使った室内空間

森を守り、未来へつなぐ木材

宮崎県の豊かな森林を守るためには、適切に伐採し、使い、また植えることが欠かせません。
高嶺木材は、製材・乾燥・加工の一貫体制を整え、地域の森林資源を持続的に活用しながら、 高品質な飫肥杉を安定して提供しています。

森で育った木が家を支え、次の世代の暮らしを守っていく。
私たちは、その循環の一部として、飫肥杉の価値を丁寧に活かしていきます。

山から伐り出された丸太